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ユージニアについての考察
ユージニア
ユージニア
恩田 陸


著者:恩田 陸
出版:角川書店
2005年2月5日初版発行


レビュー
出版社 / 著者からの内容紹介
あの夏、青沢家で催された米寿を祝う席で、 十七人が毒殺された。
ある男の遺書によって、一応の解決をみたはずの事件。町の記憶の底に埋もれた大量殺人事件が、年月を経てさまざまな視点から再構成される。

先日読み終えたばかりの「ユージニア」
でも、なかなか私もあの長い夏から心が抜け出せないのです。
それで自分なりに一区切りさせる為、少し内容を整理してみました。

これより先は犯人の記述とかはしておりませんが、かなり深く(でもないけど)内容に触れています。
非常に個人的な意見で述べていますのでその点を御了承下さい。
(読まれた方の中には全く違う解釈をされている方もいらっしゃると思います)
未読の方(特にこれからこの本を読もうと楽しみにしてらっしゃる方)は絶対に読まないで欲しいと思います。最初は真っ白な状態で読んで欲しいので。
まず、それぞれの章が誰によって語られているのか、あと自分で気になった部分を抜粋してみました。

第一章:海より来たるもの
*語り手 吉永(旧姓 雑賀)満喜子
*聞き手 雑賀満喜子のすぐ上の兄・雑賀順二の大学時代の友人で中大垣事件について再び調査をしている女性。
しかしながら、この本の形態からいくと、彼女=読者とも置き換える事ができるのではないかと?
メモ:・事件の主な概要が語られている。・最後の「第十四章:紅い花 白い花」とリンクしている。・(元婦人警官から、本を書いた頃には知らなかった話を聞いて)残りの一人が犯人だという事を、今日ここに来て知ってしまった。

第二章:二つの川と一つの丘
*語り手 大学時代に雑賀満喜子の助手として一緒に取材に同行した青年(K君)
メモ:・なぜ、彼は青澤邸の玄関横にある白い百日紅に気がつかなかった?
・多くの人が目にする中で、特定の人だけに知らせる方法は?

第三章:遠くて深い国からの使者
おそらくは、「忘れられた祝祭」の抜粋。名前だけすこし変えてある。
相澤→青澤 久子→緋紗子 マキ→満喜子(これは愛称で呼ばれてただけ?) 
事件が起きた日の朝からの出来事が幼い雑賀満喜子の言葉で語られている。
メモ:・マキが感じた気配は? ・久子の外出の意味? ・赤いミニカー

第四章:電話と玩具
*語り手 青澤家に長年通っていたお手伝い・キミさんの長女
・若い女からの意味不明の電話 ・一度、祐がポケットに入れていたハズの赤いミニカーがなぜ廊下にあったか?
・丸窓がある部屋(中央が洗面所・向かって右が電話室・左が奥様の・・)
・ブランコ

第五章:夢の通い路(一)
中大垣事件に関わった刑事の話
メモ:・刑事は病室で緋紗子を見た瞬間に、彼女が犯人だと直感する

第六章:見えない人間
*語り手 雑賀満喜子の一番上の兄・雑賀誠一
メモ:・ビーフシチュー ・満喜子がなりたがっていた人

第七章:幽霊の絵
*語り手 文房具屋の若旦那
メモ:・三番目の「目」・青年の過去と現在、苦悩 ・黄色い袈裟を着た僧侶のように見えた青年(この時点では徒歩) ・やっと返事ができました。これが私の返事なのです。

第八章:花の声
*語り手 事件の犯人と言われてる青年を当時「兄さん」と呼んで慕っていた男性
メモ:・実体化する「花の声」白い百日紅 ・藁半紙に書かれた2つの住所(綺麗なさらっとした字体)

第九章:幾つかの断片
メモ:
(一)青澤緋紗子と青年の会話
(二)緋紗子の母の言葉ではないか?
(三)教会横の養護施設の子供たちと緋紗子、青年の会話
(四)語り手は多分、緋紗子。聞き手は養護施設の子供(多分一人だけ?)
ここで緋紗子が話している「淋しいおじいさん」とは満喜子が取材をしていた時に良く寄っていたM書店の裏に住んでるおじいさんの事だと推測。 

第十章:午後の古書店街にて
*語り手 「忘れられた祝祭」の出版社の担当者
メモ:・満喜子はあの手紙は闇の中にいる人が書いたと推測(緋紗子?)
・謎の電話 ・M書店の火事

第十一章:夢の通い路(二)
*語り手 元事件の担当刑事(第五章の人物と同じ)
メモ:・伝票を挟んであったかも知れない本の行方(M書店の火事)敗北

第十二章:ファイルからの抜粋
*満喜子の死亡記事
*青澤邸取り壊しに関する記事
*順二が友人(第一章の聞き手となった女性)に書いた手紙
メモ:・順二があの家に行った時間。時間の流れに注意!

第十三章:潮騒の町
*語り手 青澤緋紗子と順二から手紙を受け取った友人の話
メモ:・青年との出会い ・彼女の願い 

第十四章:紅い花 白い花
*満喜子の独白
メモ:・緋紗子が刑事達に話した青い部屋とはその作りから、”群青の間”の事ではないか?しかし、当時混乱していた為におそらく以前に連れられて来た事のあるこの部屋の事を自宅の部屋と混同して話したのかも。
・フラ・ダ・リ「うちのさるすべり」

第十四章はおそらく第一章で、聞き手となった女性と別れた後での出来事。
こちらでは単身赴任中の夫のところに寄ったついでに降りてみた。と語っているが、実は兄の友人だった女性と約束をしていたのではないか?
もしくは、偶然にK公園(日本庭園)で出会っただけなのかも。

駅前で事件当時事情聴取を手伝っていた元婦人警官と偶然会った後、K公園へ行って女性と当時の事を話しながらその後別れて、そのまま同公園にて熱射病の為に倒れたと推測。
満喜子の死に関しては、ラムネの壜、会話をしていたらしい子供連れの女性などが出てきてるが、所々に熱射病の症状らしき描写がある事からおそらく殺人などではなくてこれは普通に熱射病で死亡したと考えた方が良いような気がします。
(第十四章で出てくる、幼い緋紗子と母親は通りすがりの女性と子供を見た時の幻影なのかも?)

私は最初、ずっと黄色い雨合羽と黒い野球帽を被った青年が毒入りジュースとビールを届けたものとばかり思っていたのですが・・。
当時の担当刑事や、お手伝いをしていたキミさんもそう言ってるし。
ところが、第十二章の順二が友人に宛てた手紙を読んでおやっ?と引っ掛かるものがあったのです。
彼の手紙と第三章の「忘れられた祝祭」に書かれている事件当日の満喜子の記憶を照らし合わせると・・・

順二が一番最初に青澤家に行った時、丁度ジュースとビールが届いたところで、それを欲しそうにしていたせいか、お手伝いの女性が1本ジュースを開けて渡してくれたのです。
ところが、妙にあっさり蓋が開いたのを(自分の経験から)何となく不信に思った彼は、いったん家にジュースを持ったまま帰るのでしたよね。
ジュースの匂いを嗅いだらおかしな臭いがした。家に入ろうとした時、丁度ブロック塀の上に白い猫を見つけ、猫に毒味をさせる事を思いつくのです。そうして、裏庭(坪庭)へ入っていった。
そう、第三章でマキ(満喜子)がウトウトとベッドの上で横になっている時に無花果が植えられている坪庭に感じた気配は、おそらく白猫と順二だったと思うのです。
白い繭=白い猫と順二
案の定、ほんの少しだけ舐めただけなのに、猫に異変が見られた。
順二はその後、再び青澤家へ戻って何事も無かったように、空になった瓶をケースに入れて、家へ妹を呼びに戻ったのですね。
(結局、事件当日4回も順二はあの家に行った事になる)

その後、お菓子を取りに行くという緋紗子に今日は家には来ない様にと言われていたにも関わらず、家に戻って騒いでる順二をよそに何となく満喜子は青澤家へ一人で行き、その帰りに再びあの家に向かっていた順二と黄色い合羽を着た青年に出会うのです。
だから、青年が持ってきたのが毒入りジュース&ビールとは思えないのですよ。
*順二はこの後、毒入りジュースをコップに入れてもらったが、兄と妹を呼びに再び家へ戻っていた為、難を逃れた。(危険だと知っていたのでわざと避けた?)

以上の事を考えると・・青年はあの日テーブルの上の手紙を読みに行っただけなのでは?あの状況では、配達に来たというだけですんなり勝手口に入れたから。
(もしくは、あたかも自分が犯人だと思わせるための演出?)
その後「花の声」を聞きに行き、自ら望んで犯人となりこの世を去ったのではないか?何となくそんな風に思ってしまったのです。
「花の声」は全てを知っていた。だからこそ、青年に囁いた。
もしかしたら、ビールとジュースに毒を仕込んだのはやはりこの青年なのかもしれないけれど、満喜子に道を聞いた時に彼が積んでいた飲み物には毒は入って無かったと思うのです。(でも、そうなると面倒臭いですよね。毒入りを用意したのは首謀者か?)
キミさんもおそらく「首謀者」が誰か後から気がついたのかも。

乾杯の時、多分緋紗子は理由をつけて2階にいたと思います。2階の電話室から電話を掛け(電話を取るのはキミさんの仕事だから)キミさんを助けたかったのかもしれない。では赤いミニカーを置いたのは?
あの日、緋紗子が外出したのは、これから自宅で起こりうる事に雑賀家の子供達を巻き込みたくなかった為なのか・・青年とどこかで会ったのか?
編集者に電話を掛けてきたのも、横にいた若い女性が緋紗子だとしても、電話で話した中年の女性に到っては誰だか検討もつきません。(最初キミさんかと思っていましたが・・)本当に謎だらけなのです。

奇跡は起きたのでしょうか?ただ、魔法が解けただけ?
人の心の闇の恐ろしさ。あまりにも大きな犠牲。

とにかく、この小説にはあちこちに「ヒント」となりうる文字がたくさん散りばめられているのに、核心がボンヤリしているのです。
だから、読んだ人の数だけイロイロな解釈ができると思うし、一度こうだと思って読んでいても、おや?っと途中でまた考えが変わってきたりするので、何度読んでも面白いのです。
私はある人物を犯人(首謀者)とした上でイロイロ書いてきましたが・・全然違うのかもしれない。
あなたはどんな風に捉えたでしょうか?
| モン基地の母 | Book | comments(6) | trackbacks(1) |
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pico (2005/04/01 2:16 AM)
モン母さま、ありがとうございます!

あちゃ〜
順ニの順序(いんをふんだりして…^^;)を、
完璧にミスリードしてました!@私
毒いりの瓶をそのまんま家にもって帰ってたのも、とばしてました。
私はてっきり青澤家の塀だと思ってました。
黄色い合羽を着た青年とであった時間軸がいまひとつ理解できてなかったです。
これ、目からウロコです!ぼけぼけしてました。
あ、だとすると、緋紗子は順ニをおい、様子をにみきたということもありえますね。
赤いミニカーも、一度、かたずけられたのに、
再度、おかれていますよね。
あれも、不思議ですよね。
それと、真喜子の死。。。
うにゅ〜また、むくむくと、きになることがわいてきてしまいました。

ふぅ。仕事しなくっちゃ・・・
モン基地の母 (2005/04/01 1:09 PM)
☆ picoちゃん
お仕事ご苦労様です!大丈夫ですか?
私はまだK市(熊本ぢゃないよ)をウロウロしてました(笑)

>緋紗子は順ニをおい、様子をみにきた(picoちゃん、にみきた。になってるよ お疲れだね〜笑)
これは無いと思います。マキとの会話の中で「勝手口から順ちゃんの声がしていた」というのがあったので(多分、瓶を戻しに行ってそのまま青澤家に留まっていたと考えられます)
それにしても、慌しいチビッ子ですね@順二 (笑)

祐がポケットに入れたハズの赤いミニカー気になってますよ〜
気になる所がたっくさんあるので消化不良です(笑)

満喜子の死に関してはエントリーに書いてる通り、そのまんま熱中症という事が一番自然かな?と思ったのです。
ラムネを買いに行く時の様子がかなり限界状態のような感じだったし。一旦ラムネを飲んで少し回復し、瓶を返しに行ったもののまだ気分が優れずベンチに戻ってそのまんま・・みたいな。

もし、私が思っている人が犯人だとしたら・・何処までが可能で何処までが不自然か・・それを考えると眠れない〜〜

PS.猫って、怪しい物は決して口にしないから、毒味っていうのは無理な展開だよね〜ぷぷっ。
pixo (2005/04/01 1:28 PM)
きになって、遊びにきました!(おい、こらぁ@自分)
14時のかい@いぬのえいがは、あきらめました。。。しょぼぼん。
でも、19時のは、まだあきらめてません!

私は、てっきり、あの人だという前提だったのですが・・
真喜子の驚きの根拠を考えたら、すごい犯人像が浮かんでしまいました。
でも、それこそ、アリバイも名前もない・・・むにゅぅ。
でも、恩田さんの別作品とか読んでると、それもありなのかも・・と思いはじめたりです。
ぬけだしたはずなのに、再び、ユージニア地獄に。。。ぷぷ

PS。猫の毒味・・・にこならしちゃうかも…うぅ。
モン基地の母 (2005/04/01 3:16 PM)
☆ pixoちゃん(笑)c→x
あぁ・・エントリーのタイミングもう少し後にした方が良かったかもですね(笑)
今picoちゃんの手元にこの本が無くて本当に良かったとつくづく思ってる鬼な私(爆)いや、お仕事大事だし。ね。
映画・・私はもうDVDかなぁ・・と半分諦めモードです。

さて、恩田さんの事だから緋紗子=犯人という事にはならないだろうと思っていましたが・・それこそめくるめく〜ですよ。
でも、緋紗子は限りなく黒に近い・・グレーってところ?
私も犯人=首謀者は名前も出てないあの人だと思っていますが・・picoちゃんの「あの人」と一緒かは謎・・。

ぷぷっ!にこちゃんならやりかねない?@お毒味
よっちゃん (2006/08/29 8:56 PM)
この作品はオカルトホラーと解釈したほうがいいでしょう。いや実際そうなのです。
悪魔に魂を売った少女なのですね。
モン基地の母 (2006/08/30 2:02 PM)
☆ よっちゃんさん
コメント&TBありがとうございます。
私とは違う解釈をされていて興味深かったです。
色んな感じ方があって面白いですね。









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恩田陸の作品を読むのはこれが初めてです。推理小説を読むつもりでした。売れっ子作家のしかも直木賞候補となった作品ですからいろいろと期待したくなります。
| 日記風雑読書きなぐり | 2006/08/29 9:00 PM |