Cat Tail * cinema

モン母が見た映画のご紹介、我が家の猫・フェレットの写真など♪
<< September 2018 | 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 26 27 28 29 30 >>
★ きょうのてんき ★
PROFILE
SEARCH
<< ブルーインパルスと熊本城 | main | 祝♪5さい >>
スポンサーサイト

一定期間更新がないため広告を表示しています

| スポンサードリンク | - | - | - |
バベル
バベル スタンダードエディション
バベル スタンダードエディション


監督:アレハンドロ・ゴンサレス・イニャリトゥ
出演:ブラッド・ピット、ケイト・ブランシェット、ガエル・ガルシア・ベルナル、役所広司、菊池凛子、二階堂智、アドリアナ・バラーザ、エル・ファニング、ネイサン・ギャンブル 他
公式HP
2006年*アメリカ*143分*PG12


レビュー
夫婦の絆を取り戻す為モロッコを旅しているアメリカ人の夫婦・リチャードとスーザン。バスでの移動中、山羊飼いの少年が放った銃弾が運悪くスーザンの肩に命中し彼女は重態に陥ってしまう。彼らの幼い息子と娘を預かっていたメキシコ人の乳母アメリアは息子の結婚式に出席する為、仕方なく子供達も一緒に甥の運転する車でメキシコへと向う。一方、凶器となった銃はある日本人の持ち物だった事が判明。東京に住む書類上の銃の持ち主であるヤスジローは妻が自殺をし、高校生になる聾唖の娘チエコとも心に出来た溝を埋める事ができないでいた・・・。

届け、心。

カンヌ映画祭、第64回ゴールデングローブ賞、第79回アカデミー賞などなど、
まぁ〜菊池凛子さんのノミネートやらでイロイロ話題になったこの作品。
実は「アモーレス・ペロス」は良かったと思いましたが、「21グラム」はあんまり好みでは無かったのでまた同じような作風?みたいなこの作品を観るのは迷いもあったのですが、休日前だし疲れてもいいか。という事で2日のレディースデーにモン基地とシネプレックスへ行ってきました。
チケット購入したら「上映時間が長いので」という事で駐車場6時間無料チケットを発行してくれましたけど、良く考えてみたら今年は140分前後の作品ばかり劇場で観てる気がします(笑)
かなり身構えて観たので(笑)思っていた以上にスッキリしていて内容も明確だし監督の作品の中ではこれが一番好きかも?何て思いました。
「21グラム」ほど時間軸をいじくりまわして無かったし(笑)

旧約聖書の“バベルの塔”をモチーフにされたこの作品。
自分の想いが伝わらないもどかしさ。
言語とか国境とかそういうものだけではなく言葉は無くとも通じ合い想いが伝わる事もあるけれど、ずっと一緒に生活を共にしてきた家族の間でさえ言葉は相手に届かず、自分の想いが通じない、掛け違いがあるんですね。
3大陸それぞれの人物の背景描写は少ないものの、彼らの伝わらないもどかしさ、孤独というものはよく伝わってきました。

――以下ちょっとネタバレ――

カインとアベル的なモロッコの兄弟
要領の良い弟に若干の嫉妬を覚える兄。ほんの些細な意地の張り合いから悲劇が始まるわけですが、この弟や銃弾の犠牲となったスーザン(ケイト・ブランシェット)を前に言葉や文化、政府の壁に一人翻弄される夫リチャード(ブラッド・ピット)が自分の身近な存在の「死」が目の前にちらついた時、ようやく見えてきた愛のかたち。
それも何だかちょっと哀しい気がしますが・・兄弟が崖の斜面で風を受けて遊んでいるシーンや痛みで苦しんでいるスーザンに老婆が葉巻を吸わせ頭をなでて祈りのような言葉をつぶやくシーン・・言葉を用いなくても想いが伝わる所を見せる事で救いを与えているあたり上手い演出だなと思いました。

誠実だったメキシコ人の乳母アメリア(アドリアナ・バラーザ )、アメリカに憧れを持ちつつも人種差別的な事で日頃から敵意を抱いていた甥のサンチャゴ(ガエル・ガルシア・ベルナル)おそらく国境で止められた時、どんなに言葉で説明しても分かって貰えないと日頃の思いが爆発しあのような行動を取ったのでしょう。
結局強制送還となったアメリアは掛けられた手錠の重みをひしひしと感じ、サンチャゴを理解したのではないでしょうか。
「アモーレス・ペロス」ではアドリアナ・バラーザがガエル君の母親役だったのですね。良く覚えて無いですが(笑)
何か、彼が出演した今迄の作品の中で(出演しているシーンは少ないものの)この作品が一番彼がメキシコ人なんだなーって実感したような気がします。
ニワトリのシーンは衝撃的だったな・・
ちょっと救出された子供達を見たかった気もしましたが。

この作品で最も重要だと思う日本パートの軸ともなる聾唖の少女チエコ。
母親の自殺、聾唖ゆえの孤独とコミュニケーションがうまく取れないもどかしさ、苛立ち。周囲から切り離された自身を誰かと繋ぎ止めていたいという彼女の感情の表現方法というものは一見不可解で嫌悪感さえ抱かせ彼女をますます孤独にしてしまうのですが、チエコはああいう形でしか自らを表現できなかったのだと私は思いました。
極端ではありますが(笑)でも「聾唖」という設定にした事で他の国の人にもよく彼女の苦悩は理解できたなと。
菊池凛子さん、頑張ってましたね。まさに体を張っての演技。
あの刺すような視線は印象的でした。
チエコが刑事に渡したあの手紙は最初、チエコ自身の遺書かな?とも思って彼女がベランダから飛び降りたのか?とドキドキしましたが(もしかしてヤスジローが帰るのが遅かったらそうなってたかも?)随分小さい字で沢山書いてあったし、読んだ彼が何ともやるせないような表情のままだったのでもしかしたら母親の死んだ日の事・・父親を弁護するような内容だったのではないでしょうか。
だから最後にチエコが父親の手を握り、抱きついた時には涙が溢れてしまいました。
妻とも娘とも距離を縮められずに苦悩している彼が最後の最後でチエコと心を通わせるあのベランダのシーンからカメラが少しずつ引いてあたかもバベルの塔のごとく聳え立つ高層マンションのカットで終るラストシーンは見事でした。

「境界を形成するものは言語や文化、人種、宗教といったものではなく、私達の中にある」「人間の大きな悲劇は、愛し愛される能力に欠けていること。愛こそが、全ての人間の生と死に意味を与えるものなのに。
これは監督の言葉。

バベルの塔をモチーフにした人を隔てる壁についてのストーリーが、終ってみたら人と人を結びつけるもの、愛と痛みについての映画に変わったという事が監督の作品の中でも一番良いものだと思えたのかもしれません。
| モン基地の母 | 映画(は行) | comments(4) | trackbacks(0) |
スポンサーサイト
| スポンサードリンク | - | - | - |
ecco (2007/05/07 12:38 PM)
熊本と愛知と東京(正確には神奈川でしたが)、
三次元鑑賞でしたねー。うふふん。
みなさんがどういう感想だったのか、気になってました。
モン母さんの感想と私の思ったことは似てるかも。
というか、私がもやもやーん、と思ってたことが、
的確に文章になっているかんじー。すごーぃ。
これ読んでちょっとスッキリしました☆
モン基地の母 (2007/05/07 3:11 PM)
☆ eccoちゃん
こんにちは。
3カ国ならぬ3県で同日鑑賞となりましたね(笑)
そうそうpicoちゃんはあまりお好きで無かったようだし(私は「クラッシュ」も好きだったのですが 笑)
賛否両論・・「東京パートはいらない!」とか極端な意見もあるなかでショボン〜としていたのでeccoちゃんが私と同じ様に感じてらした部分があったというのはとっても嬉しいです♪

私も観終わった後はイロイロ考えちゃって・・すぐには考えをまとめる事が出来なかったのでこれも思っている事の半分も書けて無かったような気がしてます。
こま (2009/02/24 2:37 PM)
>兄弟が崖の斜面で風を受けて遊んでいるシーンや痛みで苦しんでいるスーザンに老婆が葉巻を吸わせ頭をなでて祈りのような言葉をつぶやくシーン・・言葉を用いなくても想いが伝わる所を見せる事で救いを与えているあたり上手い演出だなと思いました。

まさに言葉の壁、心の壁を越えたシーンですよね。
本当にいろいろ考えさせられる映画でした。
モン基地の母 (2009/02/24 10:34 PM)
☆ こまさん
いつもコメント有難うございます♪

「言葉」ってほんと難しいですよね。
どれだけ言葉にしても相手に届かない事もあるし、黙っていてもちゃんと伝わるって事もあるし。
この作品を観ていろんな事を考えてしまいました。









url: http://chu.jugem.cc/trackback/452