Cat Tail * cinema

モン母が見た映画のご紹介、我が家の猫・フェレットの写真など♪
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殯(もがり)の森
殯の森
殯の森


監督・脚本:河瀬直美
出演:うだしげき、尾野真千子、渡辺真起子、ますだかなこ、斉藤陽一郎 他
公式HP
2007年*日本・フランス*97分


レビュー
奈良県東部の山間地。旧家を改築したグループホームに暮らすしげきは亡くなった妻の想い出と共に静かな日々を過ごしている。そこへ新しく介護福祉士としてやってきた真千子もまた不慮の事故で子供を亡くした喪失感を抱えて生きていた。
介護する側、される側という立場を越え少しずつ打ち解けていく二人。ある日二人はしげきの妻が眠る森に墓参りに出掛けていく・・
第60回カンヌ国際映画祭コンペティション部門 「グランプリ」受賞作。


カンヌ国際映画祭授賞式ライブの中継(スカパー)は夜も遅くて翌日仕事があったので録画して翌朝起きてすぐに発表だけを見たのですが、この作品がグランプリを取った時には朝っぱらから「やった!」と大騒ぎしていました(笑)
5月にBSハイビジョンでいち早く放送があったようですが、我が家では見れないので(それに劇場で観たかったし)ようやくコチラでは9月15日からの公開が始まり19日のレディースデーにモン基地とDenkikanさんに観に行ってきました。
心なしか・・年齢層がかなり高め・・・ご高齢の方も多かったです。

思う事も多くてすぐには感想も書けずに遅くなってしまいました(汗)
河瀬監督の作品は97年度カンヌ国際映画祭で日本映画初となるカメラドールを受賞した監督の劇場デビュー作となる「萌の朱雀」しか観た事が無かったのですがこちらも観終わったあと深く心に染み渡るような静かな余韻を与える良い作品で今回の「殯の森」も楽しみにしていました。
萌の朱雀
萌の朱雀

萌の朱雀でも印象的だった奈良の山々と深い緑。
風にそよぐ穂、何処までも広がる田畑、俯瞰で捉えた茶畑の美しさ。
そしてグループホームのお年寄りの表情が実に良いんですよね。

かけがえの無い存在を失ってしまった―残された者―がいかに愛する者の死と向き合いその死を感受し、生きていくか。
監督の向き合ったテーマは深い。

――以下、作品の内容に触れています。――


妻を亡くし33年もの長き月日の間に認知症を患いながらも愛する妻・真子の事は深く思い続けているしげき。
不慮の事故で幼い我が子を亡くし、夫とも別れを余儀なくされた真千子。
ホームに講話でいらしたお坊さんから「仏教では33年めにお釈迦様の世界には入る(忌明け)」と聞かされたしげきは真千子に付き添われ彼の妻の眠る森へと入るのですが、外と全く遮断されたような「聖域」のような深い森の中を彷徨う内に雨になり、一人川を渡ろうとするしげきに「そっちにいったらあかん!」と真千子は叫び号泣するのですけど、しげきに亡くした我が子を重ねているのだと非常に胸が痛みました。
この作品の中ではしげきや真千子の過去は殆ど描かれていませんが「なんで手を離した?」と夫に責められるシーンなどから(勿論息子を死なせてしまったのは彼女のせいでは無いですけど)彼女の哀しみの深さを表すあのシーンは印象的でした。

たうたうと流れゆく水は元の水にあらず
川の中で佇むしげきのこの言葉が非常に胸に響きました。
(声が小さくてよく聞こえなかったのですが多分こんな事を言ってるのかと)

焚き火でも雨で濡れた体はすぐには温まらず、肌と肌を寄せてしげきを温める真千子はその体温の温もりに「生-いのち」を感じ、しげきは妻の死を受け入れ(ダンスのシーンが良かった!)ようやくたどり着いた塚で大切にしていたリュックからそれまで耐えてきた年月と同じだけの日記を取り出し、自ら掘った穴へ「土の中へ眠ろう」と横たわる姿を見たら涙が溢れ、そんなしげきを見守る真千子も我が子に聞かせてあげているかのように回すオルゴールの音色が優しく心に染みました。  

序盤の「私は生きているんですか?」というお坊さんに問いかけるしげきの言葉からウルウル状態。それにホームの先輩の「こうしゃなあかんってこと、ないから」という励ましの言葉がまた良いですね。
うだしげきさん、尾野真千子さんが本当に素晴らしかった。
尾野真千子さんは「萌の朱雀」の時から随分変わったような感じがしたのですが・・というか疎いので言われなければ彼女って分かんなかったし(笑)
「ユリイカ」にも出演されていたのですね。全然知りませんでした。

「萌の朱雀」から10年。自然を捉えた音といい、映像も深みが出て監督のこれからが楽しみ。まだお若いし。
何だかこの作品に対する感想で酷いものもあってちょっとショック。
感じ方は人それぞれだけど、自分が理解出来ないものをそれだけで駄作のような言い方をするのはどうかなと。
あの若さでこういう哲学的な作品をライフワークでもある奈良の美しい自然の中で撮りあげた才能は素晴らしいと思いますし、カンヌでもそういう部分が評価されたのではないかな。
私はこの作品に出会えて本当に良かったと思いました。良い作品です。
| モン基地の母 | 映画(ま行) | comments(2) | - |
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pico (2007/09/27 11:38 PM)
わ〜!!!やーっと、我慢していたモン母さまのレビューを拝見することができました。
嬉しい〜。
よかったですね〜。
冒頭のシーンから、全身鳥肌はたつは泪はでるわで大変でした。(笑)

流れゆく水は〜は、鴨長明の方丈記を思いだしました。あそこで、あの台詞をはかせるのはすごいですよね。
死にいく巨木を含め、生死を結ぶ森の精霊達が映像のなかにうようよしてて、それがしっかりと映像化されているその奇跡に震えました。
すばらしかったです。

モン母さまの感想を読んで満足してしまったので、私の感想はかけないかも。。。。
ひとまず、みましたよーーーという、ご報告まで。(笑)
モン基地の母 (2007/09/28 10:33 AM)
☆ picoちゃん
きっとpicoちゃんもポロポロと涙を流しながらご覧になるのではないかな?と思ってました。
本当にあの映像は奇跡のようで素晴らしかったですよね!
観客を選ぶ類の作品だとは思いますがpicoちゃんと同じ様にこの作品の素晴らしさを感じる事ができて嬉しいです♪

そうそう、10月に「萌の朱雀」が日本映画専門チャンネルで放送されるとモン基地が言ってました。
前はPCで観たのでちょっと楽しみ♪